インドでの税務上の居住者判定(日本の居住者・日本人向け)
インドは課税年度(4月1日~翌年3月31日)ごとに滞在日数で居住者を判定します。182日以上、又は60日以上で前の4年間に合計365日以上滞在すれば居住者で、過去の滞在が短い人は「通常居住者でない者」(RNOR)として国外所得の多くが課税されません。2026-27課税年度からは2025年所得税法が適用されます。日本は住所又は1年以上の居所で暦年ごとに判定するため、双方居住者となることがあります。日印租税条約第4条第2項には段階的な振分け基準がなく、両国の権限のある当局が合意で決定します。
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インドで税務上の居住者とされる場合
2026-27課税年度(2026年4月1日~2027年3月31日)の居住の地位は、2025年所得税法第6条で判定します。課税年度にインドに182日以上滞在すれば、国籍を問わず居住者です。
前の10課税年度のうち9年度で非居住者であったか、前の7課税年度のインド滞在が合計729日以下であれば、居住者であっても「通常居住者でない者」(RNOR)です。
インド国民が国外での就労のため、又はインド船籍の船舶の乗組員としてインドを出国した課税年度には、182日基準だけが適用されます。
日数の基準で居住者とならないインド国民でも、国外源泉所得以外の所得が150万ルピーを超えると、みなし居住者となることがあります。
国外に住み、インドを訪問するインド国民には60日基準が適用されません。国外源泉所得以外の所得が150万ルピーを超える場合は、代わりに120日基準が適用されます。
60日基準では、さらに前の4課税年度のインド滞在が合計365日以上であることが必要です。
第6条第4項・第5項の訪問者の規定は、インド国籍を有しないインド系の人にも適用されます。みなし居住者(第6条第7項)は国民にだけ適用されます。
- この課税年度にインドに182日以上滞在したため、2025年所得税法第6条第2項(a)によりインドの居住者です。居住者かつ通常居住者として、インドは全世界所得に課税します(第5条第1項)。
- インドに182日以上滞在したためインドの居住者ですが(第6条第2項(a))、過去の年の状況から通常居住者でない者(RNOR、第6条第13項(a))です。インドは、インドで受領し又は発生した所得と、インドで支配される事業又はインドで設立された職業から生じる国外所得にだけ課税します(第5条第1項(c))。
- インドに182日以上滞在したためインドの居住者です(第6条第2項(a))。通常居住者かどうかは過去の年によります(前の10課税年度のうち9年度で非居住者、又は前の7年度の滞在が729日以下ならRNOR)。確認するまでは、インドが全世界所得に課税するものとして扱ってください。
- この課税年度にインドに60日以上、前の4年間に365日以上滞在したため、第6条第2項(b)によりインドの居住者です。居住者かつ通常居住者として、インドは全世界所得に課税します(第5条第1項)。
- この課税年度にインドに60日以上、前の4年間に365日以上滞在したため居住者ですが(第6条第2項(b))、通常居住者でない者(RNOR、第6条第13項(a))です。インドは、インドで受領し又は発生した所得と、インドで支配される事業又はインドで設立された職業から生じる国外所得にだけ課税します(第5条第1項(c))。
- この課税年度にインドに60日以上、前の4年間に365日以上滞在したため、インドの居住者です(第6条第2項(b))。通常居住者かどうかは過去の年によります。確認するまでは、インドが全世界所得に課税するものとして扱ってください。
- インドを訪問するインド国民又はインド系の人で、国外源泉所得以外の所得が150万ルピーを超え、この課税年度にインドに120日以上、前の4年間に365日以上滞在したため、居住者(第6条第2項(b)・第5項)であり、法律上当然に通常居住者でない者(第6条第13項(b))です。インドは、インドで受領し又は発生した所得と、インドで支配される事業又はインドで設立された職業から生じる国外所得にだけ課税します(第5条第1項(c))。
- 国外源泉所得以外の所得が150万ルピーを超えるインド国民で、住所や居所によりいずれの国でも納税義務を負っていないため、インドの居住者とみなされ(第6条第7項)、法律上当然に通常居住者でない者(第6条第13項(c))です。インドは、インドで受領し又は発生した所得と、インドの事業・職業から生じる国外所得にだけ課税します(第5条第1項(c))。
非居住者となる場合
- この課税年度に国外での就労のため(又はインド船籍の船舶の乗組員として)インドを出国し、インド滞在が182日未満のため非居住者です(第6条第3項)。みなし居住者にも当たりません。インドは、インドで受領し又は発生した所得にだけ課税します(第5条第2項)。
- 国外に住み、インドを訪問しただけです。インド滞在は182日未満で、インド源泉の所得が150万ルピーを超える訪問者の120日基準(第6条第4項・第5項)にもみなし居住者にも当たらないため、非居住者です。インドは、インドで受領し又は発生した所得にだけ課税します(第5条第2項)。
- インド滞在は182日未満で、60日基準(この年60日と前の4年間365日)を満たさず、みなし居住者にも当たらないため、非居住者です。インドは、インドで受領し又は発生した所得にだけ課税します(第5条第2項)。
- インド国籍がなく、182日基準も60日基準(この年60日と前の4年間365日)も満たさないため、非居住者です。インドは、インドで受領し又は発生した所得にだけ課税します(第5条第2項)。
インドの法令と日本の規定が食い違う点
- 双方居住者:日印租税条約には振分けの基準がありません. 日本とインドの双方があなたを居住者としています。日印租税条約第4条第2項は、恒久的住居、重要な利害関係の中心、常用の住居、国籍の順に判定する規定を置かず、両国の権限のある当局が合意によりどちらの居住者とみなすかを決定するとだけ定めています。合意がない間は両国が居住者として課税し得るため、二重課税は両国の外国税額控除(条約第23条)で調整します。インドでは条約が国内法より有利な範囲で適用されます(2025年所得税法第159条第4項)。控除で解消しない二重課税は、条約の相互協議の規定に基づき税務当局に申し立ててください。
- 衝突:短期赴任や頻繁な出張でもインドの居住者になります. 日本に住所を残したままインドに1年未満赴任する場合や、出張を繰り返す場合、日本では居住者のままです。インドでは、182日以上の滞在のほか、インド国籍のない人でもこの課税年度に60日以上、前の4課税年度に合計365日以上滞在すれば居住者となります。双方居住者となった場合、日印租税条約には振分けの基準がありません。ただし、初めてインドに来た人の多くは通常居住者でない者(RNOR)に当たり、インドは主にインドで受領し又は発生した所得に課税するため、日本で稼いだ所得への二重課税は限られます。
そのほかの注意点
- 二つの異なる基準:日本は住所・1年以上の居所、インドは滞在日数(4月~3月). 日本は、生活の本拠(住所)が日本にあるか、日本に引き続き1年以上居所があるかで暦年ごとに判定します。インドは課税年度(4月1日~翌年3月31日)ごとに滞在日数で判定します:182日以上、又は60日以上で前の4年間に365日以上。インド国民とインド系の人には、出国の年、訪問、150万ルピー超の所得、みなし居住者の特別な規定があります。期間が3か月ずれるため、同じ滞在が日本の2つの年とインドの2つの年に分かれます。双方居住者となった場合、日印租税条約第4条第2項は振分けの基準を定めておらず、両国の権限のある当局が合意で決定します。
- 通常居住者でない者(RNOR):日本の所得の多くはインドで課税されません. あなたはインドの居住者ですが、通常居住者でない者(RNOR)です。インドは、インドで受領し又は発生した所得と、インドで支配される事業又はインドで設立された職業から生じる国外所得にだけ課税します(第5条第1項(c))。日本での勤務の給与、日本の預金の利子、日本の不動産の賃料は、インドで受領しない限り通常インドで課税されません。国外資産の申告義務(第263条)も通常居住者である居住者だけのものです。地位は課税年度ごとに確認してください。
- 日本に住むインド国民:インドの非居住者となる条件. インド国民が日本での就労のためにインドを出国した課税年度は、インドに182日以上いなければ非居住者です(第6条第3項)。その後、日本に住んでインドには訪問するだけなら60日基準は適用されず、インド源泉の所得が150万ルピーを超える場合だけ120日基準が適用されます(第6条第4項・第5項)。日本の居住者として日本で全世界所得に課税されていれば、他国で住所又は居所により納税義務を負っているため、みなし居住者(第6条第7項)には当たりません。インドの課税年度(4月~3月)ごとに滞在日数を記録してください。
- インドでの勤務の給与:日印租税条約第15条. 日本の居住者がインドで勤務する場合、インドでの滞在がインドの課税年度(4月1日~翌年3月31日)を通じて合計183日以下で、給与をインドの居住者でない雇用者が支払い、雇用者のインド国内の恒久的施設又は固定的施設が負担していなければ、その給与は日本でだけ課税されます(第15条第2項)。一つでも満たさない場合、インドはインドでの勤務に対応する給与に課税し、日本は外国税額控除で二重課税を調整します(条約第23条第3項(a)、所得税法第95条)。
- 二重課税の調整:日本もインドも税額控除. 日本の居住者は、インドで条約に従い課された税を日本の所得税から控除します(条約第23条第3項(a)、所得税法第95条)。限度はその所得に対応する日本の税額で、確定申告に外国税額控除の明細書とインドで納税したことを証する書類を添付します。インドの居住者でもある場合、インドは日本で納めた税をインドの税額から控除します(条約第23条第2項、第159条)。控除を受けるには、課税年度終了から12か月以内にForm No. 44を提出します(2026年所得税規則第76条)。インドで条約の軽減税率を受けるには、日本の税務署で居住者証明書の交付を受け、所定の情報とともに支払者に提出します(第159条第8項)。
- インドの非居住者:インド源泉の所得は源泉徴収で課税されます. インドの非居住者には、インドで受領し又は発生した所得だけが課税されます(第5条第2項) — 例えばインドで行った勤務の給与、インドの不動産の賃料、インドの口座の利子、インドの資産の譲渡益です。支払者は源泉徴収を行います(第393条)。条約の軽減税率を受けるには、日本の居住者証明書と所定の情報を支払者に提出します(第159条第8項)。インドで課された税は、日本の居住者として日本で外国税額控除を受けられます。
- 年の数え方:インドは4月~3月、年の途中の区分はありません. インドの課税年度は4月1日から翌年3月31日まで(2026-27課税年度から2025年所得税法の「tax year」)で、地位はその1年全体について決まり、年の途中で区分する規定はありません。日本は暦年で判定し、出国の日までが居住者期間、翌日以後が非居住者期間です。日本の年とインドの年が3か月ずれるため、日数は両国の年ごとに別々に数えてください。条約第15条の183日もインドでは課税年度で数えます。
- 社会保障:日印社会保障協定(2016年10月発効). 日印社会保障協定は、両国の公的年金制度の保険料の二重負担を防ぎ、加入期間を通算できるようにするものです。一時派遣で自国の制度だけに加入し続けるには、派遣元の国の実施機関(日本では日本年金機構、インドではEPFO)で適用証明書の交付を受けます。派遣期間などの要件は日本年金機構のインドのページで確認してください。
双方居住者の振り分け
両国があなたを居住者とみなす場合、租税条約第4条第2項が適用されます:所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とインド共和国との間の条約(1989年3月7日署名、2006年2月24日及び2015年12月11日署名の議定書による改正後)。恒久的住居、重要な利害関係の中心、常用の住居、国籍の順に判定し、それでも決まらない場合は両国の権限ある当局の合意によります。
インドで目にする用語
- tax year
- インドの課税年度。4月1日から翌年3月31日まで(2025年所得税法)
- resident and ordinarily resident (ROR)
- 居住者かつ通常居住者。全世界所得に課税される
- RNOR
- 居住者だが通常居住者でない者。国外所得はインドの事業・職業からのものなどに限り課税
- deemed resident
- みなし居住者。インド源泉所得が150万ルピーを超え、どの国でも居住者として課税されないインド国民
- TDS
- 源泉徴収(tax deducted at source)
- Form No. 44
- 外国税額控除を請求する様式(旧Form 67)
よくある質問
出張だけでもインドの居住者になりますか?
インド国籍のない人でも、課税年度に60日以上、前の4課税年度に合計365日以上インドに滞在すれば居住者です。ただし、初めてインドに来た人の多くは通常居住者でない者(RNOR)で、インドは主にインドで受領し又は発生した所得に課税します。
日本とインドの両方で居住者になった場合、どちらの居住者ですか?
日印租税条約第4条第2項は、恒久的住居や重要な利害関係の中心による段階的な基準を定めず、両国の権限のある当局が合意で決定するとしています。合意までは両国が居住者として課税し得るため、二重課税は両国の税額控除(第23条)で調整します。
日印社会保障協定は何をカバーしますか?
2016年10月に発効し、両国の公的年金制度の保険料の二重負担を防ぎ、加入期間を通算できます。一時派遣で自国の制度だけに加入し続けるには、派遣元の国の実施機関(日本では日本年金機構)で適用証明書の交付を受けます。
出典
法令・公式の解説
- Income-tax Act, 2025 (Act No. 30 of 2025), s. 1(3) — 別段の定めがある場合を除き、この法律は2026年4月1日に施行される。2026-27課税年度がこの法律による最初の課税年度である。
- Income-tax Act, 2025, s. 6(1)–(2) — 居住の地位は課税年度ごとに判定する。個人は、その課税年度にインドに182日以上滞在した場合、又はその課税年度に60日以上滞在し、かつ、その前の4年間に合計365日以上滞在した場合に、インドの居住者となる。
- Income-tax Act, 2025, s. 6(13)–(14) — 通常居住者でない者(RNOR):前の10課税年度のうち9年度で非居住者であった個人、又は前の7課税年度のインド滞在が合計729日以下の個人。国外源泉所得以外の所得が150万ルピーを超えるインド国民又はインド系の人で、インド滞在が120日~181日の者。第6条第7項によりみなし居住者とされる国民。「国外源泉の所得」とは、インド国外で発生する所得(インドで支配される事業又はインドで設立された職業からのものを除く)で、インドで発生したとみなされないものをいう。
- Income-tax Act, 2025, s. 6(3), (6) — 課税年度中にインド船籍の船舶の乗組員として、又はインド国外での就労のためにインドを出国するインド国民には、60日基準は適用されず、182日基準だけが適用される。航海中の乗組員の日数は所定の方法で数える。
- Income-tax Act, 2025, s. 6(7)–(8) — 国外源泉所得以外の総所得が150万ルピーを超えるインド国民で、住所、居所その他これらに類する基準によりいずれの国又は地域でも納税義務を負わない者は、インドの居住者とみなされる。第6条第2項~第6項により既に居住者である個人には適用しない。
- Income-tax Act, 2025, s. 6(4)–(5) — インド国外に住み、インドを訪問するインド国民又はインド系の人には60日基準は適用されない。その者の国外源泉所得以外の総所得が150万ルピーを超える場合は、60日に代えて120日(前の4年間に365日)とする。
- Income-tax Act, 2025, s. 5 — 居住者は、インドで受領し又は受領したとみなされる所得、インドで発生し又は発生したとみなされる所得、及びインド国外で発生する所得に課税される。通常居住者でない者については、インド国外で発生する所得は、インドで支配される事業又はインドで設立された職業からのものに限り含まれる。非居住者は、インドで受領し又は受領したとみなされる所得、インドで発生し又は発生したとみなされる所得にのみ課税される。
- Government of India clarification on deemed tax residency, relayed by the Consulate General of India, Dubai, 3 February 2020 — みなし居住者の規定は、他国で真正に働くインド国民を課税対象に含めることを意図していない。その者がインド国外で得る所得は、インドの事業又は職業から生じるものでない限り、インドで課税されない。
- 所得税法 第2条第1項第3号~第5号 — 居住者=国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人。非永住者=居住者のうち、日本の国籍を有しておらず、かつ、過去10年以内に国内に住所又は居所を有していた期間の合計が5年以下である個人。非居住者=居住者以外の個人。
- 日印租税条約 第4条第2項 — 1の規定により双方の締約国の居住者に該当する者については、両締約国の権限のある当局は、合意により、この条約の適用上その者が居住者であるとみなされる締約国を決定する。
- 日印租税条約 第23条 — インド:インドの居住者が条約に従い日本国で課税される所得を取得する場合、日本国で納付される租税の額をその居住者の所得に対するインドの租税から控除する。控除の額はその所得に対応するインドの租税の額を超えない(第2項)。日本:日本国以外の国で納付される租税の控除に関する日本国の法令に従い、日本国の居住者が条約に従いインドで租税を課される所得をインドで取得する場合、その所得について納付されるインドの租税の額は、その居住者に課される日本国の租税の額から控除する。控除の額は、日本国の租税の額のうちその所得に対応する部分を超えない(第3項(a))。
- Income-tax Act, 2025, s. 159 — 中央政府は二重課税の救済・回避のための協定を締結できる。協定が適用される場合、この法律は納税者に有利な範囲でのみ適用される(第159条第4項)。非居住者は、相手国政府の居住者証明書と所定の書類・情報がある場合に限り協定上の救済を請求できる(第159条第8項)。
- 所得税法施行令 第15条 — 国外に居住することとなった個人が、①国外で継続して1年以上居住することを通常必要とする職業を有する場合、又は②外国の国籍若しくは外国の永住許可を有し、国内に生計を一にする親族がいないなど、再び国内に帰り主として国内に居住すると推測するに足りる事実がない場合には、国内に住所を有しない者と推定する。生計を一にする同居家族も同様。
- Income-tax Act, 2025, s. 263 — 申告期限(第263条第1項(c)の表):会計監査を受けない者は翌会計年度の7月31日、監査対象者は10月31日。通常居住者である居住者で、インド国外に資産(事業体への金融上の権益を含む)を有し、又はインド国外の口座の署名権限を有する者は、所得にかかわらず申告書を提出しなければならない。期限後申告は課税年度終了から9か月以内(又は査定前)。
- 日印租税条約 第15条 — 一方の締約国の居住者が他方の締約国内で行う勤務について取得する報酬は、(a) 報酬の受領者が当該課税年度又は「前年度」を通じて合計183日を超えない期間当該他方の締約国内に滞在し、(b) 報酬が当該他方の締約国の居住者でない雇用者又はこれに代わる者から支払われ、(c) 報酬が雇用者の当該他方の締約国内に有する恒久的施設又は固定的施設によって負担されない場合に限り、当該一方の締約国においてのみ課税される(第2項)。それ以外の場合は、勤務が行われた締約国も課税できる(第1項)。
- 所得税法 第95条;国税庁 タックスアンサー No.1240 — 居住者が外国所得税を納付する場合、控除限度額(その年分の所得税額×調整国外所得金額/所得総額)を限度として所得税額から控除し、超える部分は復興特別所得税の控除限度額まで控除する。控除余裕額・控除限度超過額は3年間繰越し可。非永住者の国外所得は国内払い・送金分に限る。条約上の限度税率を超える部分は対象外。申告書に「外国税額控除に関する明細書(居住者用)」と外国所得税を課されたことを証する書類を添付する。
- Income-tax Rules, 2026, rule 76; Forms No. 44 and 45 — 居住者は、その所得がインドで課税される課税年度に外国税額の控除を受ける。控除額はその所得に対するインドの税と外国税のいずれか低い方で、所得源泉ごと・国ごとに計算する。利子、手数料、罰金には充当されない。係争中の外国税は解決後に限る(Form No. 45、解決した月の末から6か月以内)。Form No. 44を所得・税額の証明書と納付の証明とともに、申告書を期限内に提出した場合は課税年度終了から12か月以内に提出する。外国税が10万ルピー以上なら会計士の確認が必要。換算はTT買相場による。
- 国税庁 タックスアンサー No.9210 居住者証明書の請求 — 租税条約に基づく減免等を受けるために必要な日本の居住者であることの証明書は、所轄の税務署が発行する。居住者証明書(2部)と交付請求書を郵送又は来署で提出する。相手国が様式を定めていればその様式、なければ国税庁様式を使う。
- Income-tax Act, 2025, s. 393(2) (secondary source) — 非居住者に支払われ又は貸記される特定の所得については、表の税率(場合により「現行税率」又は条約の税率)で源泉徴収が行われる。非居住者がインドに拠点を有するかどうかを問わない。
- 国税庁 タックスアンサー No.1926(令和8年4月1日現在) — 国内の会社の給与所得者が1年以上の予定で海外の支店などに転勤すると、一般的には国内に住所を有しない者と推定され非居住者となる。年の中途の転出で納税管理人を指定した場合は居住者期間の全所得と非居住者期間の国内源泉所得を翌年2月16日~3月15日に申告し、指定しないで出国する場合は出国の時までに準確定申告をする。国内不動産の賃貸料は原則20.42%で源泉徴収される。
- 日本年金機構 社会保障協定:国別の発効時期と対象となる制度の一覧(2025年10月27日更新) — 協定発効:インド2016年10月。対象となる制度:日本 — 公的年金制度、インド — 公的年金制度。加入期間の通算ができる。
- EPFO — International Workers: Social Security Agreements — インドの社会保障協定は、ベルギー、ドイツ、スイス、ルクセンブルク、フランス、デンマーク、韓国、オランダ、ハンガリー、フィンランド、スウェーデン、チェコ、ノルウェー、オーストリア、カナダ、オーストラリア、日本、ポルトガル、ブラジル、ケベックとの間で運用されている。EPFOはこれらの国に派遣される被用者に適用証明書を発行し、派遣先国での保険料の負担を避けられる。加入期間は年金の受給資格に算入される。
- New tax regime, s. 202 of the Income-tax Act, 2025 — rates for tax year 2026-27 (secondary source) — 所得40万ルピーまで0%、40万~80万ルピー5%、80万~120万ルピー10%、120万~160万ルピー15%、160万~200万ルピー20%、200万~240万ルピー25%、240万ルピー超30%。総所得120万ルピー以下の居住者個人に最大6万ルピーのリベート、給与所得の標準控除7万5,000ルピー、500万ルピー・1,000万ルピー・2,000万ルピー超に10%・15%・25%の加算税、4%の保健教育目的税。旧制度は選択により適用。
- Income-tax Act, 2025, s. 160 (unilateral relief) — text from a secondary source — インドが第159条の協定を結んでいない国で、インド国外で発生した所得について税を納付したことを証明する居住者には、二重に課税された所得について、インドと外国の平均税率のうち低い方(同じならインドの税率)による額をインドの税から控除する。
更新日 2026-11-04. 結果は情報提供のみを目的とするもので、税務上・法律上の助言ではありません。税務当局や裁判所は、ここで考慮していない事情も含めて異なる解釈をすることがあり、法令も改正されます。判断の前に専門家にご相談ください。