ドイツの給与にかかる税金
ドイツで給与から差し引かれる税金と社会保険料、手取り額、特別税制をまとめました。
額面年収 €60,000 の場合
| 額面給与 | €60,000 |
|---|---|
| 所得税 | |
| Einkommensteuer (Lohnsteuer) | €9,399 |
| 社会保険料(本人負担) | |
| Rentenversicherung | €5,580 |
| Krankenversicherung | €5,250 |
| Pflegeversicherung | €1,440 |
| Arbeitslosenversicherung | €780 |
| 手取り | €37,551 |
| 社会保険料(事業主負担)・給与税 | |
| Rentenversicherung | €5,580 |
| Krankenversicherung | €5,250 |
| Pflegeversicherung | €1,080 |
| Arbeitslosenversicherung | €780 |
| 雇用主の人件費総額 | €72,690 |
計算に含めているのは直接税・負担金の一部(給与に対する所得税と強制加入の社会保険料)だけです。含めていないもの:財産税・固定資産税、配当・利子などの投資所得に対する税、相続税・贈与税、間接税(付加価値税・消費税、物品税、関税)。
OECDによる平均賃金の公式指標(Taxing Wages 2026、2025年データ):本人の税負担 38.7 %、事業主負担を含む 49.3 %。 OECD
特別税制
これらの税制は上記の計算に含まれていません。それぞれに独自の適用要件があります。
Pauschalierung der Lohnsteuer bei geringfügiger Beschäftigung (Minijob)
対象: 僅少雇用(Minijob、§ 8 Abs. 1 Nr. 1、§ 8a SGB IV)に従事し、雇用主が簡易ルールに基づき年金保険料を納付している従業員。
雇用主は通常の賃金税(Lohnsteuer)に代えて、従業員の電子税務データを照会することなく、賃金の2%の一律定額税(Solidaritätszuschlagおよび教会税を含む)を納付できる。
根拠法令: § 40a Abs. 2 EStG
Übungsleiterfreibetrag und Ehrenamtspauschale
対象: EU/EEA/スイスの公法人または非営利団体のために、副業としてトレーナー、指導者、介護者、芸術家またはボランティアとして活動する者。
年間EUR 3,300まで非課税(Übungsleiter等、§ 3 Nr. 26)、または年間EUR 960まで非課税(その他の公益活動、§ 3 Nr. 26a)。同一の所得に両者を併用することはできない。
根拠法令: § 3 Nr. 26, 26a EStG
Gewinnermittlung nach Durchschnittssätzen (Land- und Forstwirtschaft)
対象: 記帳義務のない小規模農林業経営:農地20ha以下、家畜単位50以下、その他§ 13a Abs. 1 EStGの基準を満たすもの。
利益は実際の収入・費用ではなく§ 13a Abs. 3–7 EStGの法定平均値に基づいて算定され、通常の税率表により課税される。
根拠法令: § 13a EStG
Erlass oder Pauschalierung der Einkommensteuer bei beschränkt Steuerpflichtigen im besonderen öffentlichen Interesse
対象: 非居住者(制限納税義務者)、特にドイツで開催される国際的に重要な文化・スポーツイベントに出演する芸能人・スポーツ選手、または公的資金で相当程度賄われる公演を行う外国文化団体のメンバー。
州の税務当局は連邦財務省(BMF)の同意を得て、税の全部もしくは一部を免除し、または定額で確定することができる。個別に認められるもので、自動的には適用されない。
根拠法令: § 50 Abs. 4 EStG
Abgeltungsteuer auf Kapitalerträge
対象: 私的な資本所得(利子、配当、株式・債券・投資信託の譲渡益)のあるドイツ居住者。
資本所得は累進税率ではなく25%で分離課税されます(連帯付加税、教会員は教会税を加算)。ドイツの銀行が源泉徴収し、国外所得は申告します。年1,000ユーロ(夫婦は2,000ユーロ)までは非課税です。通常の税率の方が有利なら申請で適用されます。
Aktivrente (Steuerbefreiung nach § 3 Nr. 21 EStG)
対象: 標準の年金支給開始年齢に達した後も、雇用主が年金保険料を払う雇用契約で働き続ける従業員(年金受給の有無を問わない)。
年金支給開始年齢到達後の労働に対する給与は、年24,000ユーロ(月2,000ユーロ)まで所得税が非課税です。要件を満たさない月ごとに上限が12分の1ずつ減ります。
根拠法令: § 3 Nr. 21 EStG
税務上の居住者
ドイツで税務上の居住者とされる条件
- ドイツに住居があります — § 8 AOの住所(Wohnsitz)に当たり、重要な利害関係の中心が日本にあっても、ドイツ法上は無制限納税義務を負う居住者です。
- 訪問や休暇以外の目的で6か月を超えてドイツに継続して滞在しました — § 9 AOにより初日から常居所があり、ドイツの居住者です。
計算の前提
- OECD Taxing Wages の方法で計算:所得税(地方税を含む)と本人負担の社会保険料。子どものいない単身者、2026年分、2026年1月2日の欧州中央銀行(ECB)レート。
- 所得税は単身者について§ 32a EStGの基本税率表による年次最終査定(Veranlagung)として計算。毎月の賃金税(Lohnsteuer)はその前払いにすぎない。
- 控除:Arbeitnehmer-Pauschbetrag EUR 1,230、Sonderausgaben-Pauschbetrag EUR 36、従業員の年金保険料、医療保険料(傷病手当分4%を控除)および介護保険料。失業保険料はEUR 1,900の上限内でのみ控除(§ 10 Abs. 4 EStG)。
- 教会税は含めていない(OECD Taxing Wagesと同様)。子がいないため、Kinderfreibetragは適用されない。
- 法定医療保険(GKV)は平均追加保険料率2.9%で労使折半。介護保険の子のない者(23歳以上)への0.6%加算は従業員のみが負担。
- 雇用主の労災保険(Berufsgenossenschaft)、U1/U2およびInsolvenzgeldumlageは含めていない。料率は雇用主により異なる(OECDと同様)。
- 地方税の基準地: ドイツ(連邦共通の税率。教会税なし。ザクセン州以外)
- 課税期間: 2026-01-01 – 2026-12-31
- 為替レート:1 EUR = 1 EUR(ユーロが自国通貨(換算不要)、2026-01-02)
出典
- § 32a EStG — Tarif ab 2026
- § 9a EStG — Arbeitnehmer-Pauschbetrag 1 230 €
- § 10c EStG — Sonderausgaben-Pauschbetrag 36 €
- § 10 Abs. 1 Nr. 2, 3, 3a, Abs. 3, 4 EStG — Vorsorgeaufwendungen
- § 3 Abs. 3 SolzG 1995 — Freigrenze 20 350 €
- § 4 SolzG 1995 — 5,5 %, höchstens 11,9 % des Unterschiedsbetrags
- § 241 SGB V — allgemeiner Beitragssatz 14,6 %
- BMG: durchschnittlicher Zusatzbeitragssatz 2026 — 2,9 % (BAnz AT 10.11.2025 B7)
- § 55 Abs. 3 SGB XI — Beitragszuschlag für Kinderlose 0,6 Prozentpunkte
- § 341 SGB III — Arbeitslosenversicherung 2,6 %
- DRV: Sozialversicherungs-Rechengrößen 2026 (BBG RV/ALV 101 400 €, KV/PV 69 750 €)
- Haufe: Beitragssätze zur Sozialversicherung 2026 (RV 18,6 %, PV 3,6 %)
- BMF Einkommensteuerrechner 2026 (Abgleich des Tarifs)
- OECD Taxing Wages 2026, Germany
データ確認日: 2026-11-01. 典型的なケースの概算です。税務上の助言ではありません。